冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした
「おー、また会ったな。というか、お前達、この時間はまだ学校あるだろ。サボりか?」
「あははっ! 違いますよ。今はちょうど定期テスト期間で早帰りなんです。不良扱いしないでください」
「テスト? 高校生は大変だな。バスケで息抜きってとこか」
「そうそう。部活もないし、体が鈍っちゃうんで」
すごく仲が良さそう。歳の離れた兄弟みたいなフランクさがあるけど、どういう関係?
つい、興味津々でやりとりを眺めていたとき、三人組のひとりがこちらを向く。
「うわあ、綺麗なお姉さんとデートしてる! 彼女ですか」
「ははっ、言うと思った。彼女じゃないよ。俺たちは結婚してるから」
さらりと伝えた椿さんに、彼らは「ええーっ」と声を揃えた。思春期真っ盛りの高校生たちは、知り合いのお兄さんが既婚者だった事実に盛り上がっている。
楽しそうだな。アウェイ感がすごい。
「彼らは、四年前に知り合った子達なんだ。休日に偶然顔見知りになってさ。休憩時間は会わないと予想していたんだけど、今日は学校がなかったらしい」
一時帰国をして、副社長の手伝いをしていた時期に知り合ったのね。
椿さんは何事にもクールな人だとイメージしていたし、歳下の若い子と関わる姿が想像できなかったから、なんだか意外な組み合わせだ。
それよりも、私は聞き捨てならないセリフがある。
「あの、『バイクのお兄さん』って……?」