冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした


「おー、また会ったな。というか、お前達、この時間はまだ学校あるだろ。サボりか?」

「あははっ! 違いますよ。今はちょうど定期テスト期間で早帰りなんです。不良扱いしないでください」

「テスト? 高校生は大変だな。バスケで息抜きってとこか」

「そうそう。部活もないし、体が鈍っちゃうんで」


 すごく仲が良さそう。歳の離れた兄弟みたいなフランクさがあるけど、どういう関係?

 つい、興味津々でやりとりを眺めていたとき、三人組のひとりがこちらを向く。


「うわあ、綺麗なお姉さんとデートしてる! 彼女ですか」

「ははっ、言うと思った。彼女じゃないよ。俺たちは結婚してるから」


 さらりと伝えた椿さんに、彼らは「ええーっ」と声を揃えた。思春期真っ盛りの高校生たちは、知り合いのお兄さんが既婚者だった事実に盛り上がっている。

 楽しそうだな。アウェイ感がすごい。


「彼らは、四年前に知り合った子達なんだ。休日に偶然顔見知りになってさ。休憩時間は会わないと予想していたんだけど、今日は学校がなかったらしい」


 一時帰国をして、副社長の手伝いをしていた時期に知り合ったのね。

 椿さんは何事にもクールな人だとイメージしていたし、歳下の若い子と関わる姿が想像できなかったから、なんだか意外な組み合わせだ。

 それよりも、私は聞き捨てならないセリフがある。


「あの、『バイクのお兄さん』って……?」


< 89 / 202 >

この作品をシェア

pagetop