佐藤さん家のふたりとわたしと。
てかお前が手出しちゃうのかよーーーーーー!!!



そこはやられとけよ!

そしたら可哀想な子…で立場よく学校側に話通るだろーが!

世間体を考えろ!

頭使え!!!

バッシャーンと勢いよく水しぶきが飛んだ。まさか自分が落とされるとは思ってなかった佐々木は結華の靴ごとプールに沈んだ。
それ見て結華はふんっと鼻から息を漏らした。

「ちょっと、何すんの…っ!」

全身ずぶ濡れの佐々木がプールから顔を出した。

この状況、絶対悪いのは結華だよな…
結華がいじめてるようにしか見えないんだが…

「売られたケンカは買ったまでだけど?」

買い過ぎなんだよ、大安売りかよっ。

結華がプールの中の佐々木と話してる後ろで生徒Aと生徒Bがコソコソと何か話していた。それに結華は全く気付いていない。

何話してんだ…?

「「せーのっ」」

その時だった。

生徒Aと生徒Bが結華の背中を押そうとした。

「危ない、結華…っ!」

落とされる、今度は結華がプールに落とされる…!

華奢な俺だけど結華1人守るぐらいはできるんだって、そう思って勢いのまま飛び出した。



はずだった。



「え?」



その瞬間、ひょいっと軽い身のこなしで結華が避けた。

助けようと思っていた実体が急になくなり、目の前の視界がクリアになったその先には一面キレイに水の張ったプールだ。


俺はただ1人自らプールに突っ込む形になった。


せめて俺のこと押してほしかった、生徒Aと生徒B。

バッシャーン、と水しぶきがキラキラ舞っている。


もうこのまま沈みたい。
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