じゃんけんぽん
向き直れば、来海の整った美男子顔が、私の肩にちょこんと乗っかっていた。

来海はその姿勢のまま、私を見上げる。

私はしばし硬直。

「悩みがあんなら言えよ」
「…ツッコミが追いつかない」

誰のことで普段は滅多に使わない頭を使っているんだか。

それから…あの、距離近すぎやしません?

いくら気心の知れている間柄でも、これはかなりときめくよ?無自覚ってほんと罪。

「大丈夫だから。心配いらないよ」

そう言って、あえてへらりと笑う。

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