じゃんけんぽん
「自問自答して、勝手に思い詰めるのは羽乃の悪い癖。口に出してみなきゃ結果が分かんねーことって、案外多いんでないの?」

その言葉は私の心にズバッと切り込んだ。

開かれた風穴から一瞬、ブワッと新鮮な風が強く吹き付けてきたような錯覚に陥った。

自然に目が大きく見開く。

ニカリと白い歯を覗かせて、顔いっぱいに気持ちのいい笑みを広げる来海は、私の大好きな来海そのものだった。

昔っから変わらないこの笑顔に、何度励まされてきたことか。

現に、今も勇気づけられている私がいる。

「ふはっ」

なんだか、今の今までグルグル悩んでたことが、急にバカらしく思えてきた。

「おっ、やーっと笑ったな」

来海が嬉しそうに目を細める。

口に出してみなきゃ結果が分からないこと。結果を知るのが怖くて、私はずっと自分の気持ちから逃げてきた。


でもね。

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