Hello,僕の初恋



「ノン、あんた変な格好で行くんじゃないでしょうね」



ぼーっとしている私を見て、お姉ちゃんが睨みながら言う。

それでもぽけーっとしていたら、お姉ちゃんは自分の部屋から緑の花柄のワンピースを持ってきて、それを私の前に突き出した。



「あんた、これ」

「へ?」

「私のお気に入りの。これで行きなさい。今度マック奢ってね」



解せぬ、と思った。



私は制服でいいやと思っていたし、そもそも狙いの男の子がいるわけでも、誰かと勝負するわけでもない。

それなのに勝手におしゃれな服を手渡されて、おまけに奢りを要求されるなんて理不尽だ。

お姉ちゃん、バイトしてるくせに。

< 37 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop