Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
(それじゃあ私は、どこぞのセレブくんに貧乏生活を披露してたってこと?)
比菜子はトホホと肩を落として後悔するが、すぐに頭を切り替える。
「ツカサくん。ご両親心配してるんじゃないの? ここにいるってちゃんと言ってある?」
「言わねーよ! 俺はもう家には戻らねぇんだ。関係ないね」
「ダメよ。とりあえず、住むところが見つかってちゃんとやれてるって連絡入れないと」
「はあ!? なんでだよ!」
コツン、と彼の額を小突く。
「なんでも。急にいなくなって、心配でたまらないご両親の気持ちも考えてあげて。それに安否が分からないと血眼で探し出されちゃうと思うけど。見つかったら困るんでしょう?」
小突かれたところを押さえ、ツカサは唇を尖らせる。
「……わかったよ。あとでメールしとく」
(やっぱり素直でかわいい)