あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち
鉄格子を握り締め、子どもたちが泣き叫ぶ。しかし、ツヤはそれに表情を変えることなく歩き続けた。

子どもたちが「出して」と泣き叫ぶ声と、感情のない「うう〜……あう〜……」といううめき声が響く。少女の顔は真っ青になり、一瞬収まっていた震えはまた始まる。

「ここがお前の部屋だ」

空いている檻の中にツヤは入り、少女を縛っていた縄と口枷を外す。口が自由になった少女はツヤを見上げ、「ツヤさん」と呟いた。

刹那、ツヤの顔に怒りが浮かぶ。少女は床に一瞬で倒され、細い首が鬼の手によって締められる。

「……あっ……うっ……ツヤ、さ……」

気道が強い力で締め付けられ、呼吸ができなくなっていく。頭がジンジンと痛みだし、死ぬのではないかと少女の中に恐怖が芽生えた時、ようやく手が離された。

気道が開き、激しく咳き込む少女をツヤは無表情で見つめた後、少女の頭を掴み、無理やり目を合わせる。

「あたしの名はツヤではなくカヤだ。食用児であるお前が気安く名を呼ぶな。お前はあたしたち妖の食料で、いずれ殺されるんだからな、管理No.663」
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