あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち
冷たく言い放ち、ツヤは檻の鍵を閉めて歩いて行く。子どもたちの泣き叫ぶ声が響く中、少女は先ほど締められていた首にそっと手を当てた。

「……本当にここの職員になりきっててすごいわ……」

少女ーーーイヅナ・クリアウォーターはそう呟き、目を閉じた。



何故イヅナが悪魔たちに捕らえられているのか、それは数日前に遡る。

イヅナはギルベルト・エーデルシュタインに呼び出され、屋敷へと向かった。

指定された部屋に入ると、そこにはギルベルトとツヤの他に、チェルシー・モールバラとエイモン・ウィーズリー、そしてチターゼ・グランツに数人の女性団員が椅子に座っている。訳がわからず首を傾げるイヅナだったが、「イヅナ、座って」とギルベルトに言われ、大人しく椅子に座る。

使用人が紅茶とクッキーを置き、部屋を出て行ったところでギルベルトは口を開いた。

「農園のある場所をレジーナ・ムーアが白状した。ツヤがその農園に職員として潜入してくれている」
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