籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
 最初はタイミングの問題だったが藤沢千佳の件でモヤモヤした感情が抜けない。

藤沢千佳に落とせない男はいない、そう思う。

 だとしたら、やっぱり和穂さんは藤沢千佳を選ぶのではないか。

二度目も彼女に取られてしまったらそれこそ一生立ち直れないかもしれない。
ただ、現状政略結婚という形で彼と結婚を約束している。

お互いの利益があるからそう簡単に破棄などしないだろう。相当の理由がない限り。



…―…



「はすみ、どうした?」
「何がですか」
「今日はずっとボーっとしているように見える」
「そうですか、普通ですが…」


 大きなテレビ画面で映画を鑑賞している彼の隣で温かいお茶を飲みながら彼の言う通りボーっとしていた。映画の内容は一切入ってこない。
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