籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
 プロのメイクアップアーティストによって髪もセットしてもらい化粧もしてもらう。
普段の手抜きのメイクではなく丁寧にでも厚化粧になるわけではないテクニックに感嘆の声を幾度となく漏らした。

「はい出来ました~」

 担当してくれたのは喋り方に特徴のある男性だった。


「ありがとうございます!」
「とってもお綺麗ですよ!」
「はは、そうですかね…」
「そうですよ!髪は緩く巻いてハーフアップにしました」
「凄いです。別人みたい」
「元がいいからですよ」

 常にテンションの高い会話を維持するコミュニケーションスキルに感心しながら私は会場に向かう。

 今日は大して大きなパーティーではない、と言っていたが入り口で足が止まった。
既に開かれたドアには既に大勢の招待客がいた。


和穂さんにとってこの規模のパーティーは“大したことのない”それなのだろう。

軽く眩暈がした。

私は背筋を伸ばし、ごほんと息を吐きゆっくりと中に進む。
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