珈琲と花の香りの君
「……申し訳ないけれど、僕にはもう、可愛い奥さんがいるんだよ。」
「……。」
珠利ちゃんが話し出す前に、思い切って言ってしまえ!!
そんな風に考えた俺は、言ったのだ。確かに珠利ちゃんに。
なのに、いったいこれはどうしたことだい?!
電話に出たのは、あの柳井(兄)だ…!!
なんでだなんでだなんでだ…
呆然としたまま、携帯を耳から離した。
ふと見た液晶には、
『柳井 准』
……。
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