ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
ー獅子谷くん、再来週の水曜日空いてますか?空いてたら、ここに来てほしいです。

高野さんから、メッセージと住所が送られてきていた。

送られてきた住所を調べると、この辺で一番大きな病院だった。

どうして呼び出されたのか、なんとなく察しがついた。


当日、病院に行くと看護師さんに病室に案内された。

高野さんは1週間前から入院してるらしい。

「失礼します。」

『こんにちは、獅子谷くん。旅行依頼だね。』

ドアを開けると、ベッドに座っている高野さんがいた。

「久しぶり。」

入院していると聞いて少し心配したが、元気そうでよかった。

「これ、もしよかったら。」

『お気遣いどうも。何これ?……あ!ゼリー!ありがとう、これ好きなんだ。』

「そらならよかった。ところで、今日は何をすれば良いですか?」

『この病院ってすごく大きいじゃん?』

「そうだね。」

『探検したいなって思って。』

「…わかった。協力するよ。」

『ありがとう。1階にね、カフェがあるから、そこでお礼するね。』

「そんなのいいよ。肩貸せば良い?」

『いや、脇に手通して支えてほしいな。』

「了解。」

俺は言われた通りにして、高野さんを車椅子に座らせた。

『操作の仕方わかる?』

「じいちゃんが怪我した時に使ったことあるから大丈夫。」

『それなら安心だ。笑 よし、出発!』

高野さんの足は枯れていた。
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