ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
『獅子谷くん。着替え終わったよ!』

「うん。えっと…椅子に座る?」

『うん。』

俺は高野さんの移動を手伝い、大きめのソファに2人横並びに座った。

「高野さん、俺ここいて大丈夫なの?高野さんのご両親戻ってこない?」

『2人とも夜まで帰ってこないから大丈夫だよ。』

「そうなんだ…わかった。英語どこ教えればいい?」

『まずここかな?上手く訳せなくて…。』

「みせて…。えっと、ここはー。」

それから俺は1時間ほど高野さんに英語を教えた。

『なるほど!わかった。獅子谷くん教えるの上手だね!すごくわかりやすかった!』

「ならよかった。」

『ありがとう。』

「どういたしまして……本当にご両親、夜まで戻ってこないの?」

『うん。』

こんなにいい部屋に家族3人で泊まるのに、どうしてだろう…。

『私が夜は2人で過ごしてって頼んだんだ。』

「…なんで?」

『今日ね、お父さんとお母さんの結婚記念日なの。』


「…。」


『たまたま親戚の結婚式の人重なってさ、お父さんが次の日も休みだしせっかくの機会だからってこの部屋取ってくれたんだけど…大事な結婚記念日だから…。』

「…うん。」

『テスト前だし勉強もしたいから夜は2人で過ごしてきてって言ったんだ。』

「…そうだったんだ。」

『明日はちゃんと家族で過ごすんだ。お昼になんか美味しいもの食べるんだって!』

「それは、楽しみだね。」




『うん、すっごく…。』





「高野さん…?」





『私ね、結婚式見てきたの…。』




高野さんの顔が暗くなった。
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