ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
文化祭は何事もなく無事に終わった。

『白雪姫の六花かわいい!獅子谷くんもライオンすっごく似合ってる!!』

ノートを届けるついでに文化祭の時の写真を高野さんに見せた。

「檜山さん、だいぶ顔ひきつってるけどね…。」

『だいぶ柔らかいほうだと思うよ。ちゃんとツーショットだし、獅子谷くんよく頑張ったね。』

「頼んだとき、すっごく嫌がられたよ。それに恥ずかしかった。」

『お願い聞いてくれてありがとう。』

「どういたしまして。」

『それにしても、写真いっぱい撮ったんだね。』

「海人に、撮ろうって言われたんだよ。」

『中村くん以外の人ともいっぱい撮ってるじゃん!』

「撮ろうって言われるから…。」

『獅子谷くんも丸くなったんだよ。』

「え。」

『もともと尖ってたって意味じゃないよ?でも、前は人を寄せ付けない感じがあったからさ…あ、ほら!このクラス写真とかすっごい優しい顔してる。』

「高野さんと関わるようになってから変わったんだと思う…。」

『私は何もしてないよ。』

「…治療の方はどんな感じなの?」

『うまくいってるんだと思う。薬の副作用で吐き気とかがひどかったりしたんだけど、変色は確実に遅くなってるんだ。まだ、背中までで止まってるよ。』

「そっか、良かったね。」

『…うん。』

「…。」

高野さんは今は笑っているが、治療は相当辛いのだろう。

目の下にクマができてるし、少し痩せたように見える。

『…獅子谷くん?』

「…ん?あ、ごめん。ぼーっとしてた。」

『大丈夫?』

「うん。そうだ、観察日記少し読みたい話だけどいいかな?」

『もちろん!はい、どうぞ。』

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