僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「紫音がしてあげてよ」
「なにを」
「…セックス」
「ほのちゃんと?俺が?」
「うん…。俺はたぶんその辺を満足させてあげられる自信がないよ」

「…アホいうな。人の彼女取るような真似はイヤだね」
「お願い・・・しおん」

「――――おれは、二人も相手できるほど変態じゃないよ」
「三人でしてる事態、変態だと思うけど」

「んでも俺は、気持ちのこもらねー挿入は、もうしたくねーの。早くキスでもしてとっとと上がろうぜ、腹減ったわ」

「・・・とっても素敵な言葉だね」


温度のない言葉とは裏腹に、二人でシャワーを浴びながら情熱的キスを繰り返す。


「ユウ、会いたかった。」
「うん、・・・俺も寂しかったよ」

「今日は二人だけで過ごそう?ユウと二人だけでエッチしたい」

「それは、だめだよ」

「・・・そう言うとおもった。じゃあ、三人で長い夜を過ごそうな」

「ん、それならいいよ」

紫音の気持ちが俺に向いていることに安心した。


それをいいことに、この程よい三角関係はまだ維持できると思ってるんだ。

紫音は俺をすき。そうして―――多分だけど、穂香は紫音が気になっていると思う。

隠してしてるみたいだけど・・・なんとなく、分かっちゃうんだよな。

特に、夜の情事の時とかさ・・。
俺と紫音がしてる時に、恨めしそうに見ている時があるから間違いないだろう。

…俺も、大概だな。
二人をいつまでもこうやって生殺しにしている。


どちらか選ばないようにして、どちらも手放さないようにしていた。


ほんとに卑怯だって思いながらも、目の前の温もりがほしくて、二人の優しさにいつまでも甘えていたんだ。


いつかは答えを出して欲しんだろうけど、俺はどちらかを選んでどちらかを解放するつもりだなんて、とっくの昔からない。

それどころかさ、穂香の見せない心の変化にも気付いているんだ。

だからなおさら・・・渡さないよ。

俺は・・・君たちの温もりを

手放す気なんて、さらさらないかなね?・・・悪いけど。

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