僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「2回」
「2回だけ?マジで?2週間でたった2回?」
「そうだよ」
「…ふーん、んで、イケたの?」
「ううん。———でも、ほのは、なんとかイカせてあげれたけど・・・その・・」
「深くまでは・・ってこと」
肯定するようにこくんと頷く。
上辺だけで、深くまでイカせてはいない。
きっと…穂香にとっては不発のように感じるだろう。
「ユウは?」
「…服も脱いでないよ」
「って事は、”アレ”使ってないの?」
「・・・・・・・・・・・」
答えられなくて、無言になった。
紫音が用意してくれた、疑似的な器具のようなもの。
これを使えばユウも”男”になれるよって言われて、こっそりと渡されたけど、いまだに穂香の前に出したことすらない。
「なんか、嫌なんだ。」
「付けるのが?」
「うん、付けるのも嫌だし、つけなくてもそれで攻めるもの、なんか、抵抗あるっていうか…」
そもそも、高校生の時、ケイにも同じようなことを頼まれたけど、それが凄くイヤで・・・。
そこから何となく、そういう行為にズレが生じてきたんだ。
それが出来てたら、あの時代にケイと別れる結末になっていなかったと思う。
”身体”も満足にさせてあげられたら、よかったけど、ケイにも穂香にも———してあげることが、できなかったんだ。
変なプライドなのか、性の違和感なのか…
あんなに彼女の事を好きなのに、それを付けて深く愛し合い、満足させてあげたい・・・とか思えない。
それがなぜだか、自分でもよくわからないけど…。