僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「祐ちゃん、ありがとう、本当にありがとう」
「ううん、お幸せにね。ケイをよろしくお願いしますよ」
「ん、————ありがとな」
二人の顔見たら、俺も家に帰りたくなった。
結局一度も帰ることのなかった家へ、もうすぐ帰ることが出来る。
二人の土産は何にしようかな?
そんな事を考えながら、何もない芝生の上に寝転がって夜空を見上げていた。
これがバレたらクビだろうなぁ。
でも、こんなチャンスを見過ごして後悔するよりはよっぽどマシだと思えた。
きっと俺にも転機だったんだと思う。
こうしてあげることで、過去に傷ついて泣いていた自分が、少しでも浄化されるような気がしたんだ。
恨み続けても自分が闇に落ちるだけ。
それなら、最も傷ついた原因を許せばいい。
答えは簡単なことだったんだよ。
そんな簡単なことが分からなくて、俺は何年もの間苦しみ続けた。
そういう一大決心をしてあげられたのは、2つの別れが最近あったからだと思う。
一つは、半月前に亡くなったおばあちゃん。
最後はボケが酷くなって、俺のことなんて忘れちゃっていた。
それでも、思い出がいっぱいある大切な存在だった。
そんな彼女に忘れられて悲しかったけど、生前それだけ何もしてあげてないんだ。
ばあさんが俺のことを忘れるのは当たり前だったのかもしれない。
でもさ、言い訳だけど、まだ元気に思えてたから、こんな急に亡くなるなんて思わなかったんだ。
『また今度、何かしてあげよう』
そう思っていたけど、”またの機会”なんて、そうそうあることじゃない。