僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~

「え、マジで?どこ?」

「旧友って言ってましたよ。こちらには通せないので」


バンド仲間と楽屋で呑んでいる彼を連れ出す。
マネージャーはホテルに帰ったみたいでいなかった。




***


「で、どこ?ほんとにこんなとこに俺の知り合いが来てんの?」
「はい。来てますよ。このテントの中にいますから…。大事にしてやって下さい」


ケイは俺の初恋の人。

いつも無表情だったあの頃のケイ

でも、初めてみた笑顔がとても綺麗だった。


ほら、今みたいに



「え、慧・・・?」
「うん、そうだよ。リュウちゃん」


いつまでも、あんな顔で笑って欲しい。

俺は、それしか思えなかった。

そうしてあげることが、きっと正しいって思えたんだ。


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