僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
紫音と分かれた後、何も言い返せなかった自分を慰めたくてアパートに帰って来た。
「・・・ズ・・ハァ・・う、ううぅ~…」
今まで我慢していたっていうのに帰って来た途端、三人で過ごしてきた思い出が頭を駆け巡って涙が出てきた。
陽だまりの公園、子供の笑い声、温かい手、手作り弁当、綺麗な桜。
二人が作ってくれた食事、懲りずに見たホラー映画。
思い出すのは、大学時代のことばかりで
体の関係をもつ前のあの頃に戻れたらって、何度も思うけど、それはもう叶わないんだって思ったら、次々に涙がでてきて、息をするのも苦しくなっていた。
暗い中、電気も付けずに俺は玄関で膝間づき、泣き崩れていた。
ガチャガチャと鳴るリビングのドアノブ。
気がつけばアップルがドアノブに掴まり無理矢理に廊下へと出てくるところだった。
「みゃ~~・・・」
心配するように俺の周りをウロウロとしていた。
「・・・ごめんな、心配かけたよな・・」
立ち上がり、アップルに導かれるように部屋へと入る。