僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
俺の顔見るなり深々と頭をさげてくる
「ごめんなさい!」
「あ、いえ、俺も言ってなかったんで…」
「いいえ!ずかずか入ってく時点で失礼でしたっっ」
「あの、顔をあげて下さいよ」
「はい…」
すごく泣きそうな顔してる?なんで?
申し訳なさそうにしている感じもあるけど、嬉しそうにも見える微妙な表情。
「…あの、本当に気にしないで下さい。‥これ、ありがとうございました。すごく良かったです」
「ああ、でもそれは男性用で―――女性用はこっちでした」
「そうでしたか」
受け取って蓋を開けて香りをかぐ。
うん、女の子って感じ
俺には―――似合わないな…
「あれ?ご飯は?作るって言ってませんでしたっけ?」
「———ちょっと動揺して作ってません」
「そうですか―――じゃあ買い置きのカップ麺でも」
「————はい…」
二人で啜る夜のカップ麺
少しの罪悪感が湧くけどおいしい。
「ああ、そうか…」
「はい?」
「え、や、あの、前に聞いたじゃないですか、彼女いるんじゃないのって」
「ああ、ありましたね」
「いろいろ、女の子の物があったから、てっきり彼女いると思ってました」
「———ああ、そうですよね――あれは、自分で使う用です」
「そうでしたか。………いろいろあった謎がいま解けました」
「驚かせてすみません」
「いえいえ、見た目で判断していた俺が悪いんです。————それに、ホッとしました」
「???」
「まぁ…まだ内緒です」
何となく楽しそうに見える詩安さんは、スープを飲み干した。