僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「どういう心理かわかりませんが。———だめです、俺なんか」
「俺なんか?どうしてんなことゆーのさ」
「俺は色んな人を…悲しませるだけの存在なんです」
紫音もほのもハルもケイも―――…
寂しさを紛らわす為にいいように使って、最後は傷つけた。
「ん?悲しませる存在?———どうして?」
「俺が、人間として、劣っているからです…」
「…何言ってるの、そんなことないでしょ。———君と関わったおかげで彼らは幸せになっているじゃない」
「そうでしょうか?」
「そうだよ?だって彼らは今幸せだと思うよ?——それに、人は変われるんだよ。君が本気で望めば…」
「…」
「理想的な人生なんて、待っているだけじゃこないよ。変なプライドも捨ててがむしゃらに求めるんだ。————その過程で誰かを傷つけたとしても、気に病むことはない。それは彼らにとっても転機につながるんだから…。実際、そうだったでしょ?」
言われてみれば、そうとも捉えられる。
俺に身体的な不満をもらしたケイは、その後つき合った彼氏が既婚者だったりしたけど、今はリュウと想い合っている。
ハルだって彼女と知り合ったのも、最後に俺が振ったタイミングみたいだったし
紫音と穂香も―――
最初はお互い敵視していたけど、何年も一緒に居て理解し合っていた。
それに今は手を繋いで歩くほどの仲睦まじい恋人同士になっている。
「アップルだって、幸せだと思うよ。なぁ?」
「ミィヤっ」
言葉がわかるみたいに返事をして、俺に体を擦り付けてくる。
思わず顔が綻んだ
「その顔」
「——?」
「その顔さ、アップルをあやしてる時のその表情に―――俺、その—――惚れちゃったんだよね」
「———え」
「・・・・島くん、あの、俺なんかがこんなこと言ってキモイって思ったらごめんね?俺もなんでだ?ってなったんだけど、でも、その優しそうな表情見るとね、———アップルはいいなーとか、―――俺もそうされたいな・・・とか思ったりね・・・してたわけですよ」
「そ、そうですかっっ」