僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~

「なあ、祐子、考えてくれた?」
私の部屋で二人っきりになって、ハルに答えを求められる。

答えは、初めから決まってる。

「ごめん、ハルとは付き合えない・・・」

物好きだよな、ハルも。

俺のどこがいいんだよ。

外見は女でも、中身は男なのに。



ハルはその事に気がついてない。




聞いた途端、少し期待していたような顔つきが、目線と一緒に下がっていった。

好き、嫌い、の前に、ストレートな晴とは付き合えないんだ。

ごめんな…。

「・・・いつまで、そうやって引きずるのさ」

「・・・・・」


何も言えなくて、下を見つめてた。


「————納得いかねー。おれのこと、本当になんとも思わない?少しくらい好きな気持ちあるだろ?」


もし、普通に女の子だったら、そういうこともあったかも知れない。
こんなに近くに居てさ、いつもピンチの時に救ってくれたハル。

でも、ごめんな。
どうしても無理なんだ。

「ごめん、答えは変わらないよ」
「・・・・そうか、わかった。こんないい男、なかなかいねーんだぞ?あとで後悔しても遅いからな」


ハルはそう言い残して静かに出て行った。

< 16 / 231 >

この作品をシェア

pagetop