僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「今日はどこに行ってたの?」
「ブラブラ散歩してたらバザーやっててね、よくわからない物ばっかだから面白かったよ」
「へぇ~、どんなのあったの?」
「よくわからない牢屋の錠みたいなやつとか、派手な食器とか、あと東洋を感じさせる仏像とか?ほとんどが東南アジアっぽかった。ジャパンスタイルって書いてたけど」
「まあ、ここの人は日本がどこにあるかも把握していない人が多いからね」
二人で今日の報告をしあいながら夕食をすませ、俺は食器を洗って詩安はシャワーを浴びに行く。
じゃぶじゃぶと洗っていればアップルが肩に乗ってきて見守っていた。
「重い・・・アップル」
文句を言えばザラザラと耳を舐めてくるからびっくりして振り落としそうになる。
「この罪深いにゃんこめ」
いつものように返事して肩から降りてどこかに行ってしまった。
「浮気現場発見」
「………その言葉―――冗談でもきつい」
「ごめん………シャワー浴びといで」
「あ、ちょっと――」
強制的にスポンジを奪われ、仕方なしにシャワーを浴びにいった。
柑橘系の香りのシャンプーで泡立てればいい香りがしてきて気持ちもすっきりしてくる。
「おいで乾かしてあげる」
シャワーを浴びた後は詩安が高級そうなドライヤーを片手に乾かしてくれる。
プロだからめっちゃ上手だし、キモチがいい。
こんな時はアップルが嫉妬して膝に乗って顔を舐めてくるんだけど見当たらなかった。
「閉じ込めたの?」
「人聞きの悪い。アップルのお部屋に入ってもらったの」
「(お部屋?)そう」
詩安は時々無意識に言葉使いが愛らしくなる。