僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
先輩が買ってきてくれた牡蠣は、身がぷりぷりで味も濃厚で美味しかった。焼き牡蠣に醤油を垂らすと、いい匂いが立ち込めて、こわばっているような空気も少し和んでくる。
三人とも酒が進んでホロ酔いになったところで、ほのが洗い物してるから、手伝うために立ち上がろうとして先輩に制止された。
「何すか?」
「おまえさ、今現在、誰かに恋してたりする?」
「え?」
思わずほのを見た。
聞こえてそうなのに反応せずに手元に集中しているようだった。
「この人ってのは、居ませんけど…」
「ふーん、じゃあ、例の恋人のケイは?どうなの?」
「・・・・そんなの、ないですよ。何年たっていると思ってるんですか」
それにもし、俺が気持ち残ってても、相手にはないんだから、どうなることもない。
第一、卒業式の日から一度もあったことないし。
「じゃあ、問題ねぇよな」
「何がですか?——ってか、話って何です?」
「ああ、それは三人そろってから」
三人で、何話す?
そう思っていたら、キッチンスペースに居たほのが、何かに踏ん切りをつけるように大きく息を吐く。
そうして元の位置に座った。
少し緊張の色が見える。
「俺から話すよ、いい?」
「お願いします…」
「あのな、ユウ。俺ら二人は付き合ってないんだ。おまえ勘違いしてただろ?」
「初めは、そう思っていました」
「そうだよな、そうだと思った。んでよ、ここからが本題なんだけど、俺、お前のこと好きなんだよね」
「———はい」
なんでもないようにサラっと告白された。
いや、でもキスしてくるって事は、やっぱそうだよな。
気まぐれな感じもしたから迷ったけど、今までの事を考えれば少し納得できる。
ナンパしてきた子たちに迫られた時に逆上してたのも、ほのに対して挑発的に笑っていたのも、そう言った理由だったんだ。
「で、ご想像通り、この『ほのか』さんも…」
「ごめん、祐くん。私も好きなの…」
やっぱそうなのか…
でも、ほのはどこまで知っているのかな?
無意識に紫音先輩を見た。
「おれ、席外す?」
なにかを察してほのに声をかけている。それだけで、ほのはもう知っているんだって、なんとなくわかった。