僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「あの人って…誰だよ」

満たしてくれるあの人って・・・男?

心も体もって…浮気しているって事?
俺には散々、男にも女にも嫉妬するって言ってたくせに…

ケイは新しい『男』と浮気してた・・・ってこと?

「―――サイトで出会ったんだ。祐とは、どこか違和感があって、その人に性について相談してた。そうしたら、自分はゲイだから試してみる?って言われてさ、ああ、自分が求めてたのはこれなんだって、そう思ったんだ。だからさ、祐とはもう、身体の付き合いしたくないんだ。―――祐は私の悩みに気がついてなかったでしょ?」

「気が付くも何も…そんなの――――」俺だって嫌だったよ。
気持ちだけ繋がっていたかったけど、最初に興味を示して求めてきたのはケイの方だろ?

俺は…プライドを捨て、痛いのを我慢してまで「女」になったっていうのに…。

”心も―――身体もみたす”

ケイの離れてしまった気持ちを取り戻そうと必死だったけど、俺もこれからケイと上手くやっていく自信がなくなってきた。


「ごめん」

放心してたら、そう告げてケイは去っていく。

思い出が走馬灯のように頭を駆け巡って離れたくない気持ちが大きくなる。

”待って!置いてかないで!”

心で思うけど、言葉には出てこなかった。

だって俺は、ケイを満たしてあげることが出来ないんだから。



なんで?どうして?

あんなに愛を紡ぎ合ったのに、あれは全部戯言だったの?

あんなに愛してるって、伝え合ったのに

性の欲には勝てなかったってこと?


俺たちは、もっと気持ちの深いところで繋がっていると思ったのに。

全部俺が勝手に夢見ていた絵空事だったんだ。

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