エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない

中学の頃、朔が引っ越すまでの一週間はちょうど夏休みに入ったところで、いろいろな場所に行った。昔小さい頃によく行った遊園地とかゲームセンター、水族館。
「しばらく日本を離れるならいろんなところに行こう!」
毎日会う約束を取り付けるために私はそう言った。だって、朔と会える時間は刻一刻と減っていく。
朔も朔で「特に用事ないしな」とすんなり私の提案に乗ってくれた。朔と一緒にいる時は楽しくて、その分一日が終わって別れる時の反動は凄まじかった。寂しくて、寂しくて夜泣いた。
これがアメリカに行ってしまったら毎日続くと思うと、耐えられるのか不安になる。幼い時は夏休みが来れば必ず朔と会えた。アメリカに行っても学校が休みの間とかは帰ってくる?
訊けば答えを得られるのに、望んだ答えではなかった時にあからさまに落胆してしまいそうで訊けなかった。
そうしているうちに、朔が出発するまで二日となった。映画を観て買い物をして帰ったら、夕立に遭った。けっこう本降りで、大粒の雨がアスファルトを叩く。天気予報では雨の予報ではなかっただけに傘がなくて、家の最寄り駅からふたりで走った。
もちろん、運動部でもなく体育の成績が2か3の私が朔についていくのもきついし、すぐに息が上がる。
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