エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない
「日本にいた時の話をせがむとよく出てくる女の子がいました。母親みたいに自分のことを心配してついてきたって」
「そ、それは私、ですよね?」
「そうだと思います」
朔が学校に馴染めるか気が気でなくて、いろいろと陰でお節介をしていた時もあった。あの頃は子供ながらに必死だったんだけど、今思えば、過干渉だと言われても仕方ない。
「まぁそう言いながら、全然女の子として大好きだったんだと思います。あいつは天邪鬼ですから」
「大好き?」
「はい、あなたのことですよ。でも、フラれたって」
「ふ、フラれた?」
「そう。で、私は工藤くんが好きだったので、その後、三年猛アタックして付き合い出しました。でも、やっぱり私ばかり気持ちが強い気がして。ついやらかしてしまったんです」
里見さんは苦笑を漏らして自分の膝の上で指を組む。
「『私、もうあなたと別れたい』って言ってしまったんです。好きなら引き留めるだろうって。でも、彼からは『わかった』だけでした。私は自分の賭けに負けたんですね。自分のせいとはいえ、泣きました」
声は努めて明るい。でも、その奥には悲しみが確かにあって、私は口を噤む。
「冗談だと言って復縁を望むにも彼の気持ちと比重が釣り合ってないので、惨めでできませんでした。それからはよき友人と同僚です。あ、そのおかげで今の人と結婚できましたし、今は全く未練も好意もありませんのでご安心ください」
彼女の声から悲壮感はなくなり、ちゃんと否定するところまで、一度も噛まずにスラスラと言ってのける。
本当に元カノとして宣戦布告しに来たというわけではないようだ。
「そ、それは私、ですよね?」
「そうだと思います」
朔が学校に馴染めるか気が気でなくて、いろいろと陰でお節介をしていた時もあった。あの頃は子供ながらに必死だったんだけど、今思えば、過干渉だと言われても仕方ない。
「まぁそう言いながら、全然女の子として大好きだったんだと思います。あいつは天邪鬼ですから」
「大好き?」
「はい、あなたのことですよ。でも、フラれたって」
「ふ、フラれた?」
「そう。で、私は工藤くんが好きだったので、その後、三年猛アタックして付き合い出しました。でも、やっぱり私ばかり気持ちが強い気がして。ついやらかしてしまったんです」
里見さんは苦笑を漏らして自分の膝の上で指を組む。
「『私、もうあなたと別れたい』って言ってしまったんです。好きなら引き留めるだろうって。でも、彼からは『わかった』だけでした。私は自分の賭けに負けたんですね。自分のせいとはいえ、泣きました」
声は努めて明るい。でも、その奥には悲しみが確かにあって、私は口を噤む。
「冗談だと言って復縁を望むにも彼の気持ちと比重が釣り合ってないので、惨めでできませんでした。それからはよき友人と同僚です。あ、そのおかげで今の人と結婚できましたし、今は全く未練も好意もありませんのでご安心ください」
彼女の声から悲壮感はなくなり、ちゃんと否定するところまで、一度も噛まずにスラスラと言ってのける。
本当に元カノとして宣戦布告しに来たというわけではないようだ。