だから今度は、私がきみを救う番



「お姉ちゃん、今日はうちにいる?」

「お父さんうざいから、帰ってくる前にまた出かけると思う」

「昨日まで、どこにいたの?」



そう尋ねると、お姉ちゃんは質問を無視して化粧をはじめた。



「ねぇ、さっき送ってもらってたの彼氏ぃ? 窓から見えたんだけど」



人の質問には答えないくせに、いきなり変な質問をしてくるからびっくりする。



かあっと体温が急上昇するのが分かって、私は「もう」とごまかした。

ごまかす必要なんてないんだけど、自分でもまだこの状況を受け入れられていないのだ。

昨日まで言葉も交わさなかった原くんが、私の彼氏だなんて。


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