吐息ごと奪ってよ
スーッと冷えきっていた心に灯りが点されたみたいだった


脳筋なのに、上手いって、、、



「、、、なに、その歌。わかんないけど。」


「俺の好きな曲。落ち込んだときとか、元気になりたいときに聴くんだ。」


「英語なんて、わかんないし。」


いつの間にか涙は引っ込んでいて、、、


「頑張らなくていい。休日も必要だよって励ましの曲。何があったかはもう聞かないよ。でも、俺でよければまた歌いますが?」


黒辻穂高はそう言って、クシャクシャの笑顔を見せた


ほんのちょっとだけ、気持ちが穏やかになったのは言わないでおこう。


ただ、黙って携帯を差し出した私をみて、一瞬驚いてから、自分の携帯を取り出す。




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