俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
「うわぁーっ、めっちゃ可愛い!!」
部屋に戻り、アミールからのプレゼントの紙袋を開けてみる。
前が短く、不規則な膝下丈のスカートに、袖がスピーカースリーブでハイウエストで絞られた、Vネックで小さな赤系等の、花が全体に散りばめられた、白いプリントワンピースが一枚。
「何の生地かな? 物凄い軽いし、手触りが良い」
胸の前に当ててみる。
こんな女の子、女の子したワンピースなんて、着た事ない。
「意外と私も女だったんだなぁ…… やっぱり、嬉しくてテンション上がる」
(はわわーっ、可愛い!)
自然と頬が緩んでくる。
一人ファッションショーだ。
寮にいるとはいえ、頼れる身内がいないので、何があった時の為に、兎に角、節約、節約。
施設に居た頃より、自由になるお金が増えただけ、私なりに贅沢な暮らしをしている。
仕事柄、勤務時間は不規則だから、夜勤のある日は日中、寝ている事も多いから、特にオシャレして出掛ける事も少ない。せいぜい出掛けても近所のスーパーだ。
「こんな明るい色、着たことないけど、柔らかい印象になって、雰囲気変わるんじゃない?」
クルクルーッと、一回転すると、フワッとスカートの裾が広がって、思わずウフフフッと、声が漏れる。