俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました

「はぁっ……、 んあぁっ!」

 初めての快感に、理性が追いつかない。

 触られる所全てが、一つも漏らすまいと、快感を拾って、思考が停止する。

「必死な一花、可愛いい…… 」

 そう言って、アミールは器用にワンピースのボタンを外すと、スルスルッと脱がして行く。

「や……、待って…… 」

 恥ずかしくて、両手で身体を隠す様に、身を縮める私の腕を、

「隠さないで、全部見せて」

 強引に腕を取り、開かせると、アミールは目を見開き、ハッと息を呑む。

 頬から首、鎖骨、胸へと手を這わし、腰の曲線を、何度も愛おしそうになぞって、下へ向かう。


「……ああ…… 一花、綺麗だ…… 」


 ほうっ…… と、切なそうな甘い吐息を吐くと、そっと柔らかな膨らみの先端に、口付ける。

「んあっ…… 」

 堪らず漏らした自分の甘い声に、耳を疑う。

(嘘…… ヤダ、これ私の声……?!)


 アミールはもう一つの先端を摘み、強弱を付けて何度も捏ねる。

 何度も優しく這う舌に、鼻から抜ける喘ぎが止まらない。

 (ダメなのに…… 今だけ…… 明日になったら忘れると誓うから、抱かれているこの瞬間だけで良いから、あなたの愛を一人占めさせて…… )

 甘い喘ぎと、シーツの擦れる音が部屋に響いて、欲情を煽る。


「一花…… ここを触らせたのは何人だ?」


 独占欲を露わにし、アミールの手が、腰をなぞって下り、ツーッと私の脚の間に侵入した。

「ひゃっ…… あっ、あっ…… 」

 余裕のない私に、容赦なく責めるアミールは、目を細めて問いかける。

「一花、答えて」

 青い瞳を、ギラギラと捕食する様な輝きに変え、私を捕らえる。

「……っ、あ……あ、誰にも…… 、こんな事……するの、アミールが…… 初めて…… 」

「…… 初めて…… 」

 そう呟いて、満足そうな笑みを浮かべると、男らしいゴツゴツとした指を、私の花弁を分け入って、侵入させた。

「……っ!」

「あぁ、狭いな…… 」

 アミールは、ゆっくりと私の反応見ながら指を動かす。
 

 本当に初めてなんだな……と、嬉しそうに呟くと、上着を脱いで、ズボンの前を寛げた。

 ゆっくりとアミールが私に覆いかぶさり、上気して、しっとりとした肌と肌が重なった。


「一花の初めてを、俺にくれ」


 耳元で誘惑され、甘い甘い快感に堕ちて行く……。


(ああぁ…… 、ずっと、ずっと夢見て来た、大好きな人の温もりだ…… 嬉しい…… )


「一花…… その愛欲に塗れた顔を、他の男に見せるなよ」

 アミールは、宝物を抱くように、ゆっくりと私の中に挿ってくる。 そっと指を絡ませると、優しく、優しく唇を重ねた。



(好き、好き、大好き)


 そっと閉じた私の瞳から、ポロッと涙が一筋、零れ落ちた。
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