黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
「やっぱり別の男のこと考えてる。お仕置きだ」
「ここ公共の場! 会社の人来ちゃっ……ん……」
唇がとろけてしまいそうな甘い甘いお仕置きのキス。
八重樫君は漫画の相手にすらヤキモチを焼くヤキモチ焼きだ。
このくらい嫉妬心の強い人の方が私にはちょうどいいのかもしれないと最近感じることがある。
私が八重樫君の舌に落ちると、八重樫君は満足気な表情を浮かべて私の頭を撫でて何事もなかったかのように席に戻った。
席に戻って行く八重樫君の姿が愛おしく思える。
この幸せを一つ一つ大切に、心の奥に溜めておこう。
新しい部長は絵に描いたようなやり手の凄腕営業部長だった。
これまでのキラキラした部署が一転、営業は細かいところまで指摘されて、キラキラしていた雰囲気は跡形もなくどんよりと曇りが立ち込め、場所によっては小雨や大雨が降っていた。
暫く経つと、部長への好感度は蜃気楼のように消え、みんな必死で働いていた。
「二条君、これ今日中にお願い」
部長はそう言うと指示書と一緒に資料の束を渡してきた。
現在私は営業効率を上げるための資料作りを任されている。
そのため八重樫君のサポート業務のほとんどを他の人に回した。
それなのに相変わらず問題児の駒田君のサポート業務は私の担当だ。
それこそ手間も時間もかかるため他の人に回して欲しいのに回してくれない。
今日も駒田君は部長に公開説教を受けていた。
「最初は色気があって大人の男性って思ってたけど、あれは鬼だね」
「残業減らしてこの量こなすなんて無理だよね。最近、会社で仕事しかできてないよ」
部長がいないオフィスではそんな会話が周りから聞こえてくる。
会社では仕事をするものですよ、なんて心でツッコミを心の中で入れてみた。
でも、私語も仕事を円滑に進める上では役立っていたのかと最近では思うようになった。
こんなに張り詰めた空気は何もしていなくても疲れてしまう。
そんな中、部長になれなかった課長は、のほほんとマイペースに仕事をしている。課長が一番凄いのかもしれない。
「早く行かないと遅れるよ」
女子たちが声をかけ合い慌てて帰る準備をしている。
今日は部長の歓迎会。
私も参加予定だが、忘れ去られているのかいつものように声はかけられず、おいて行かれた。
まあどうせ仕事が終わらないからいけないし、私がいなくても気が付く人なんて八重樫君以外いないだろう。
それにしても今日は歓迎会だと分かっているのにこの量を今日中に終わらせるようにと依頼する部長は私を嫌っているのだろうか。
たった1週間で私は何をしてしまったのだろう。
「ここ公共の場! 会社の人来ちゃっ……ん……」
唇がとろけてしまいそうな甘い甘いお仕置きのキス。
八重樫君は漫画の相手にすらヤキモチを焼くヤキモチ焼きだ。
このくらい嫉妬心の強い人の方が私にはちょうどいいのかもしれないと最近感じることがある。
私が八重樫君の舌に落ちると、八重樫君は満足気な表情を浮かべて私の頭を撫でて何事もなかったかのように席に戻った。
席に戻って行く八重樫君の姿が愛おしく思える。
この幸せを一つ一つ大切に、心の奥に溜めておこう。
新しい部長は絵に描いたようなやり手の凄腕営業部長だった。
これまでのキラキラした部署が一転、営業は細かいところまで指摘されて、キラキラしていた雰囲気は跡形もなくどんよりと曇りが立ち込め、場所によっては小雨や大雨が降っていた。
暫く経つと、部長への好感度は蜃気楼のように消え、みんな必死で働いていた。
「二条君、これ今日中にお願い」
部長はそう言うと指示書と一緒に資料の束を渡してきた。
現在私は営業効率を上げるための資料作りを任されている。
そのため八重樫君のサポート業務のほとんどを他の人に回した。
それなのに相変わらず問題児の駒田君のサポート業務は私の担当だ。
それこそ手間も時間もかかるため他の人に回して欲しいのに回してくれない。
今日も駒田君は部長に公開説教を受けていた。
「最初は色気があって大人の男性って思ってたけど、あれは鬼だね」
「残業減らしてこの量こなすなんて無理だよね。最近、会社で仕事しかできてないよ」
部長がいないオフィスではそんな会話が周りから聞こえてくる。
会社では仕事をするものですよ、なんて心でツッコミを心の中で入れてみた。
でも、私語も仕事を円滑に進める上では役立っていたのかと最近では思うようになった。
こんなに張り詰めた空気は何もしていなくても疲れてしまう。
そんな中、部長になれなかった課長は、のほほんとマイペースに仕事をしている。課長が一番凄いのかもしれない。
「早く行かないと遅れるよ」
女子たちが声をかけ合い慌てて帰る準備をしている。
今日は部長の歓迎会。
私も参加予定だが、忘れ去られているのかいつものように声はかけられず、おいて行かれた。
まあどうせ仕事が終わらないからいけないし、私がいなくても気が付く人なんて八重樫君以外いないだろう。
それにしても今日は歓迎会だと分かっているのにこの量を今日中に終わらせるようにと依頼する部長は私を嫌っているのだろうか。
たった1週間で私は何をしてしまったのだろう。