黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
ラッキーアイテムとされるホースシューはどちらを向いているかによって意味合いが異なると書かれている。上向きは幸運を呼び込み、下向きは不運を落とすと言われ厄除けのように使われていたとか。
私は迷わず下向きのホースシューのピアスを購入した。
18Kで小さなダイヤがちりばめられているのでそれなりに値段がするが、お酒も飲まず、交友関係の狭い私はちょっとお金に余裕がある。
と言っても好きなものを好きなだけ買えるわけではないが、厳選に厳選を重ねた一品なのでこのくらいは問題ない。
綺麗なピアスが今日の収穫。
これであの悪魔のようなイケメンからも解放されるだろう。
小さな紙袋に入った箱を見つめながら私は微笑み、1人でも入りやすいカフェに入り、簡単に夕食も済ませていつものように目的地に向かった。
エスカレーターを上がるとモノトーンのシックな空間が広がる。
あちこちにカラフルなポスターが張り巡らされ、目移りしてしまう。
今日はどれにしようかなと公開中の映画の広告と上映開始時刻の案内板を見比べながら品定めをしていく。
「よし、アクションでスカッとするか」と独り言をつぶやくと「俺も今日はそれがいいと思ってた」と耳元で声がした。
驚いて「ひゃっ!」と声を上げて後ろを振り向き一歩下がる。
すると、八重樫君の姿が瞳に映った。
「ひゃってなに? あはは」
Tシャツに黒のパンツとシンプルながらも丈の長いシックな薄手のカーディガンを羽織りモデル並みに美しい彼は顔をくしゃくしゃにして微笑んでいる。
「なんで……」
「なんでって、俺もよく来るから」
「いや、そうじゃなくて」
「なんで二条さんって分かったか?」
私は心の中を覗いたかのように八重樫君は言った。
誰にもバレない自信があった。
化けると言われるメイク術で5歳以上若返った私は日頃の黒子とは似ても似つかない。
それに今はメガネもしていないし、ウィッグをつけてアッシュカラーのボブヘアになっている。
だから、バレるわけがないのだ。
それなのに、八重樫君は何食わぬ顔で私の手を掴み、引っ張りながら、あれよあれよという間に席に座らせられた。
チケットはすでに購入していたようだ。
こんなイケメンでもデートをすっぽかされることなんてあるんだな。
可哀想に。
仕方ない。どうせ観たかった映画だ。
一緒に楽しんでやろうじゃないか!
そうと決めた私は隣に誰がいるかなんて忘れて映画を堪能した。
「面白かったね。俺あの俳優さん好きなんだよね。迫力が凄い」
映画が終り、廊下に出ると言いたくて仕方がなかったかのように弾むような声で八重樫君は私に話しかけてきた。
「分かる! スタントまでこなしてるから、臨場感溢れてるよね」
おっと、ついつい私まで興奮してしまった。
私は先払いをし、姿勢を正した。
私は迷わず下向きのホースシューのピアスを購入した。
18Kで小さなダイヤがちりばめられているのでそれなりに値段がするが、お酒も飲まず、交友関係の狭い私はちょっとお金に余裕がある。
と言っても好きなものを好きなだけ買えるわけではないが、厳選に厳選を重ねた一品なのでこのくらいは問題ない。
綺麗なピアスが今日の収穫。
これであの悪魔のようなイケメンからも解放されるだろう。
小さな紙袋に入った箱を見つめながら私は微笑み、1人でも入りやすいカフェに入り、簡単に夕食も済ませていつものように目的地に向かった。
エスカレーターを上がるとモノトーンのシックな空間が広がる。
あちこちにカラフルなポスターが張り巡らされ、目移りしてしまう。
今日はどれにしようかなと公開中の映画の広告と上映開始時刻の案内板を見比べながら品定めをしていく。
「よし、アクションでスカッとするか」と独り言をつぶやくと「俺も今日はそれがいいと思ってた」と耳元で声がした。
驚いて「ひゃっ!」と声を上げて後ろを振り向き一歩下がる。
すると、八重樫君の姿が瞳に映った。
「ひゃってなに? あはは」
Tシャツに黒のパンツとシンプルながらも丈の長いシックな薄手のカーディガンを羽織りモデル並みに美しい彼は顔をくしゃくしゃにして微笑んでいる。
「なんで……」
「なんでって、俺もよく来るから」
「いや、そうじゃなくて」
「なんで二条さんって分かったか?」
私は心の中を覗いたかのように八重樫君は言った。
誰にもバレない自信があった。
化けると言われるメイク術で5歳以上若返った私は日頃の黒子とは似ても似つかない。
それに今はメガネもしていないし、ウィッグをつけてアッシュカラーのボブヘアになっている。
だから、バレるわけがないのだ。
それなのに、八重樫君は何食わぬ顔で私の手を掴み、引っ張りながら、あれよあれよという間に席に座らせられた。
チケットはすでに購入していたようだ。
こんなイケメンでもデートをすっぽかされることなんてあるんだな。
可哀想に。
仕方ない。どうせ観たかった映画だ。
一緒に楽しんでやろうじゃないか!
そうと決めた私は隣に誰がいるかなんて忘れて映画を堪能した。
「面白かったね。俺あの俳優さん好きなんだよね。迫力が凄い」
映画が終り、廊下に出ると言いたくて仕方がなかったかのように弾むような声で八重樫君は私に話しかけてきた。
「分かる! スタントまでこなしてるから、臨場感溢れてるよね」
おっと、ついつい私まで興奮してしまった。
私は先払いをし、姿勢を正した。