8つの怖い話
それでもロッカーの中の手は強くて、2人まとめて引きずり込んでしまいそうだ。


どうにか引き込まれまいと2人は両足を踏ん張って耐える。


そのときだった。


「そこで何してる?」


2人の姿に異変を感じて警備員の声がしたかと思うと、あれほど引っ張っていた手がフッと消えた。


同時にその場に尻もちをつく2人。


「そこには近づいちゃいけない。はやく離れなさい!」


警備員がすべてを言い終わる前に2人は弾かれたように逃げ出したのだった。
< 145 / 248 >

この作品をシェア

pagetop