8つの怖い話
もう二度と聞くことができないと思っていた声。


見ることできないと思っていた姿が、みんなの前に現れていた。


しおりがまとっている光は次第に弱まっていき、最後にはその顔もハッキリと見ることができるようになった。


「色々と話したいことはあるけれど、まずはこれが先ね」


しおりはそう言うと直人へ向き直った。


直人の目はまだ真っ赤に輝いている。


「下等霊がとりついちゃったのね。今すぐ出ていって! その人は私の大切な友達なのよ!」


しおりはそう言うと、右手を直人の腹部へと差し込んだ。


ズブッと音がして差し込まれた右手は何かを掴むような動作を見せたかと思うと、一気に引き抜かれた。


しおりの手には白いモヤが握りしめられている。


それは自分たちが何度もこの東屋で見てきたものだった。


あれが悪い霊だったなんて……。


ちっとも気が付かず、しおりが来てくれているのだと思いこんでしまっていた。
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