Gentle rain
「もう少し待ってて。今、君へのプレゼントの鍵を、開けてあげるよ。」

そう言って彼女の両腕を上から下へ撫でると、目の前でドアの鍵をカチャッと開けた。


「どうぞ。お嬢様。」

俺がドアを開けると、ゆっくりと部屋の中に入る彼女。

「ほら、見てごらん。」

窓を指さすと、ちょうど目の前に、大パノラマの花火が浮かび上がった。

「うわぁ……」

両手を口元に当てて、感動でそれ以上の言葉も、出てこないようだった。

「どう?驚いた?」

「はい!」

彼女の、本当に心から嬉しそうな返事。

わざわざ、最上階の部屋まで来た甲斐があった。


「実は俺もさ、人に連れてきてもらったんだ。」

「階堂さんも?」

俺の顔を覗き込む彼女の顔が、まともに見れない。

「ちょうどさっきのお店で接待しててさ。帰りがけ、美雨ちゃんと同じように、花火に釘付け。」
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