Gentle rain
それが消えるまで、私は他の人には、付いていけない。

あの人の熱が消えるまで、私は一人で身体を持て余すしかないのだ。


その日は、お昼頃から雨が降り出した。

お店のお客様も雨の影響か、いつもよりも少なかった。


「夏目さん。在庫確認、お願い!」

「はい!」

店長に言われて、店の入り口付近から、在庫の確認を始めた。

「あっ、この皿。また無くなっている。」

季節物は、知らない間に売り切れになっているから、気が抜けない。

「う~ん。どうしようかな。基本は10皿なんだけど、すぐ無くなりそうね。」

店長に相談してみようと、後ろを振り返った時だ。

途中で、お店の窓ガラスの向こうに、見たことがある人の姿を見つけた。


「階…堂…さん……」

その名前を呼ぶだけで、胸がドクンと波打つ。
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