Gentle rain
どうして。

今は仕事をしている時間だと言うのに、どうしてこのお店の前にいるの?

階堂さんはお店の軒下に立って、中に入ろうとしない。


もしかして

私がお店を出ていくのを、待っているの?


時間を見れば、私がバイトを終える時間だ。

時計を見た店長は、わざわざ私を呼びに来てくれた。

「そろそろ、あがってもいいわよ。」

「いえ、まだ残りがあるので、やっていきます。」

「残りなら私がやるわよ?」

「いいんです!」

生意気に、店長の言葉を撥ね退けた。

「どうしたの?何かあった?」

怒るわけでもなく、返って心配してくれる店長。

「…何も。」

「そう?」


しばらく私をじっと見つめた後、店長は一歩下がった。

「あら?あの人、また来てる。」

店長の一言に、体がビクッと反応する。

「だ、誰ですか?」
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