Gentle rain
店長の突っ込みに、思わず重い空気が、少しだけ軽くなった。

「彼ね。ここ最近、ああやってお店の軒下で、誰かを待っているのよ。」

「最近?ずっとですか?」

「そうよ。ずっと。」


もしかして、その相手って私?

勘違いもいいところだって、自分に言い聞かせるけれど、その反面嬉しかった。


「その待っている相手って、夏目さんなのかな。」

はいって、返事できない。

「行ってあげたら?じゃなきゃ、彼、また毎日あの軒下で、夏目さんを待つことになるわよ?」

「そうでしょうか。」


私にはわからない。

「もしかして、前に私が言った事、気にしているの?」

相手に溺れ過ぎて、泣くのは自分だと、店長は言っていた。

「バカね。あくまで私の話よ。夏目さんがそうなるとは、限らないわ。」

こんな時でも、店長は優しい。
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