Gentle rain
「すみません。タラコとカルボナーラを下さい。」

「ありがとうございます。」

店員さんが去って行った後、菜摘さんはウフフと、笑みを浮かべた。

その時、俺はなぜか自分に、罪悪感を持ってしまった。

「菜摘さん。」

「はい。」

目をクリクリさせて、俺の質問を待っている。

「パーティーの後……」

そう。

あのパーティーで、俺と菜摘さんは、暗闇の中キスを交わした。

「メールをしたのに……」

少なくてもあのメールの時点では、お互いの未来に期待していたはずだ。


「その後、全く……」

「いいんです。」

俺の気持ちとは裏腹に、菜摘さんは何も気にしていない様子だった。

「さっきも言ったでしょう?社交辞令だと思っていたって。」

「ああ。」

確かにそうだけれども、キスを交わした相手が、社交辞令で食事に誘うと、本気で思っているのか?
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