Gentle rain
「……そうかな。」


少なくても、美雨はそんな女性じゃない。

自分の足で、しっかりと人生を歩んで行こうとしている人間だ。


「今まで染み付いた“贅沢”という文字は、なかなか消えてはくれませんからね。」


それはわかる。

社長令嬢ではなくても、今までの生活レベルを落とすのは、誰だって難しい。


「まっ。もしそういう方と結婚されるなら、割りきった方がいいですよ。」

「割り切る?」

「自分は今の生活を提供する役、相手はあくまで欲求解消と、子孫繁栄の道具。」

「三科君!!」

突然大きな声を出した俺に、周りは驚いて、俺達二人を見て行った。

「君がどう思うと構わないが、少し言葉が過ぎやしないか?」

「やだな。自分はただ忠告しただけですよ。社長令嬢って奴にのめり込むと、身の破滅を招く。特にあの“森川菜摘”って方はね。」
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