Gentle rain
「いえ……そんな事はないんですが。夏目は“夏目社長の息子”という単語が大嫌いなものでしてね。」

「ははは。まだ子供なんだな。」

「ええ、まだ20代前半ですから。」


夏目をかばったつもりなのに、居心地の悪い視線を森川社長から感じるのは、どうしてなのか。

「随分、御曹司と仲がいいんだな。」

「自分は御曹司としてではなく、一人の人間として付き合っていますからね。」

今度はクククッと、笑いをこらえている。


「惚れたか?夏目の御曹司に。」

「まさか。」

興味はあるが、奴についていこうなんて気は、更々ない。

「どうせ惚れるなら、いい女に惚れたいですからね。」

「はははっ!」

森川社長の笑顔の種類が変わったところで、尋問は終わりにしてもらいたい。

「ところでそっちは?結婚したという噂は聞かないから、まだなのだろう?」
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