Gentle rain
必死な時というのは、思いがけず予想もしない結果を生み出す。


「受付にいた子、可愛い女の子じゃなかった。」

「あら?じゃあ、可愛い男の子?」

俺は半分笑いながら、右手を左右に振った。

「いや、女性だった。」

「女性……」

「ああ。とても……奇麗な女性だった。」

俺も悪戯っぽく、笑った。

「そうでしたか。綺麗な……若い……女性?」

「ああ。」


何を言っているんだか。

これじゃあ、秘書の子に弱みを見せているようなものじゃないか。


「一目ぼれですか?」

「ああ。恥ずかしいけれどね。」

「いいじゃないですか。」

秘書の子は、優しそうに答えた。

「それ程までに、お美しい方だったのでしょう?」

俺は黙って、頷いた。
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