Gentle rain
森川社長の策略に、まんまと騙された。


「どちらにしても、階堂社長と菜摘さん、お似合いですよ。」

「いや……」

「いつか、僕もあなたにように、いい女を相手にできるような男になります。それじゃ、おやすみなさい。」

軽くお辞儀をして、田辺君は行ってしまった。


気づいた時には、大抵の出席者は家路についていた。

俺は一人、背中にあるプレゼント持て余していた。


さて、どうする?

これを菜摘さんに渡さないと。

なのに、気が重くなった。

どうしてだ。

曲がりなりにも、菜摘さんとは結婚の約束をしていると言うのに。


その時だ。

「階堂さん。」

振り返ると、その菜摘さんだった。

「楽しんで頂けましたか?遠くから拝見させて頂いてましたけれど、あまり料理を召し上がっていなかったみたいですね。」

「あっ……料理。」
< 79 / 289 >

この作品をシェア

pagetop