同居人は無口でクールな彼



「そう言えば、鈴香ちゃん。今日、大丈夫?一緒に帰ろうか?」

「え?」


そろそろ校舎が閉まる時間になって、3人で片づけをしているとき。

ふいに希美ちゃんが声をかけてきた。


「昨日、誰かにつけられたって言ってたでしょ?」

「え?つけられた?」


希美ちゃんにラインで昨日話したことだった。

それに、灰谷くんが食いついてきたのだ。


「昨日、誰かにつけられたんだって、鈴香ちゃん。だから、心配で」

「それだったら、俺が送っていこうか?」

「あ、その方がいいかもね。男子の方が」

「あの、えっと……」


わたし抜きで話が進んでしまって、反論する間もない。


どうしよう。

送り迎えは翔哉くんがしてくれることになっているんだけど。




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