同居人は無口でクールな彼
「大とか言うなよ。あと、のんちゃんが考えてることは絶対違うから!」
「えー?私が考えてることってー?」
のんちゃんは、灰谷くんをからかって楽しんでいる。
灰谷くんはからかい甲斐のある人だ。
しばらくは、のんちゃんのおもちゃになるんだろうなと予想できる。
「はいはい、灰谷。篠原の隣にしてあげるから」
子供をあやすように自分の目の前に座るようにさとすのんちゃん。
クラスでの2人はどこか一線を引いているようにも感じていたけど、ここでは全然それが感じられなかった。
「篠原くん、まだかな。鈴香ちゃん、ほんとに来るんだよね?」
「うん、たぶん来ると思うよ」
「“たぶん”?“思う”?まじかー」
よほど楽しみにしていたのか、目に見えて落ち込む灰谷くん。