同居人は無口でクールな彼
「えっと……昨日休んだんだけど、日本史のノートと見せて欲しくて。明後日、小テストやるって聞いたから」
「そうだったんだ……ごめんね。わたし、日本史のノート持ってないや。家に置いてきちゃった」
小テストがあるってこの前の授業で突然言われたから、勉強できるように、教科書とノートを持って帰っていたのだ。
声をかけたはいいものの、何の役にも立てそうになくて、肩を落としていると――
「俺の貸そうか?」
ここにいる誰もが声を失った。
だって――
翔哉くんの方から、そんな言葉が出てくるとは思わなかったから……
「え……?」
怖いのか戸惑っているのか。
その子はなかなか返事ができなくて、あっという間に翔哉くんはロッカーからノートを取り出してやって来た。
「いつ返してくれてもいいから」
「……あ、ありがとう」