同居人は無口でクールな彼



あれ……?

今日はおばさん、夜勤で帰ってこないんじゃなかったの?


“あら、2人ともこんなところにいたの?”

“今日夜勤じゃなかった?”

“夜勤よ。これから仕事に戻るけど、これを置きに来たのよ”


そう言っておばさんは、翔哉くんにビニール袋を渡した。

そこには、ホットケーキミックスと牛乳が入っていて……


“あまり買い足してなかったから、明日の朝ごはん困ると思ってね。ごめんね。悪いけど、明日の朝はホットケーキでも作って食べて”


こうして、おばさんは嵐のようにやって来て、荷物だけ置くと、嵐のように去っていったのだ。


おばさんがいなくなってから、気まずい空気がわたしたちの間に流れる。

翔哉くんも何も話さないから、余計に居心地が悪い。




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