同居人は無口でクールな彼



まさかわたしが告白するとは思わなかったのか、今日1番の大声を上げたのんちゃん。

その口を慌ててふさいだものの、のんちゃんの興奮はおさまらない。


「待って!ちょっと待って!それで!そのあとはどうなったの!?」

「えっと……」


実はあの後、予想外の事態になったのだ。



“すず……俺のこと好きなの?”

“好きかもしれない”


わたしの言葉に、翔哉くんは真剣な瞳で見つめてきた。

翔哉くんの次の言葉を待った。


たった数秒だったのに……

その数秒がとてつもなく長く感じられた。



“すず、俺……”



“ただいまー”

翔哉くんの声に重なるように、玄関から元気なおばさんの声。




< 215 / 285 >

この作品をシェア

pagetop