同居人は無口でクールな彼
まさかわたしが告白するとは思わなかったのか、今日1番の大声を上げたのんちゃん。
その口を慌ててふさいだものの、のんちゃんの興奮はおさまらない。
「待って!ちょっと待って!それで!そのあとはどうなったの!?」
「えっと……」
実はあの後、予想外の事態になったのだ。
“すず……俺のこと好きなの?”
“好きかもしれない”
わたしの言葉に、翔哉くんは真剣な瞳で見つめてきた。
翔哉くんの次の言葉を待った。
たった数秒だったのに……
その数秒がとてつもなく長く感じられた。
“すず、俺……”
“ただいまー”
翔哉くんの声に重なるように、玄関から元気なおばさんの声。