私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
「ニクスの言いたいことはわかるけど、絶対にわかって貰うのは無理だよ。根本から自分とは違う世界の生き物だと思った方が良い……兄さんは嫡男で跡継ぎだし、頭の中を全部を恋愛ごとにする訳にはいかないからねえ。そういうことを理解してくれる子じゃないと上手くいかないよ。ティタニア嬢みたいな子が良いと思うよ。責任感もあるし、頭も良いし情も深い。そして何より、可愛いよね」

 なぜか良いなと思う女の子は、三兄弟これまでずっと一緒だったなと遠い目をしたネージュは、やっと次に飲もうと選んだ酒の栓を抜いた。

「なんで二年間も放浪していたんだ?」

 きっと今までも聞きたかったのだろうが、真面目なニクスは本人が言い出すのを待っていたのだろう。そして、お酒も入ったので我慢ならなくなったというところか。同じ色をした瞳を向け視線を合わせて聞いてきた。

「たった一人の弟が一生苦しむのはまぁ、見てて楽しいものでもないからね。なんとなく、助けてあげようかなって」

「スノウのことか? 運命の番のことで苦しんでいたのは知っていたが……」

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